沿革・活動概要

沿革

本学会は、農業機械、農業施設及び農業機械化に関する学術進歩を図ることを目的に「農業機械学会」として1937(昭和12)年に設立されました。以降、農業の機械化・近代化を進め、日本農業さらには世界農業の発展と食料生産に大きく貢献してきました。現在では約1,000名の会員を擁するに至っています。この間、幾多の社会情勢の変遷を経て、学会の活動領域はトラクタや田植機、コンバインといったいわゆる “農業機械” そのものに関わる研究開発から、センシング技術や電子制御、ICTの活用さらには環境やエネルギ、食料生産・流通に係わる技術分野の領域に活動範囲が拡大してきました。

こうした対象領域における学術発展と学会活動の更なる活性化をねらいとして、76年続いた農業機械学会は、2013(平成25)年9月から学会名称を「農業食料工学会」と改称して新たに出発しました。この改称をトリガーとして、機動性の高い学会活動に向けて、学会内に部会を設けることとなり、まず“農業機械部会”、“食料・食品工学部会”、及び “IT・メカトロニクス部会”が設置され、その後、2019年(平成31)年に“生物資源部会”が設置され、計4部会体制となり、現在に至っています。
さらに、2019(平成31)年4月には、学会活動のさらなる活性化を図るために、学会組織をそれまでの任意団体から「一般社団法人」に改組することにより、組織体制を強化しつつ、様々な活動を展開しています。

活動概要

学会の目的

本学会は、農業機械、農業機械化、農業施設及び食料・生物資源の工学的処理等、農業食料工学に関する学術の進歩発展を図ることを目的としています。
さらに、前項の目的を達成するため、次の事業を行います。
(1)学会誌、その他農業食料工学に関する資料、図書の編集・刊行
(2)講演会の開催
(3)その他、当学会の目的達成に必要な事業
※以上は、一般社団法人 農業食料工学会「定款」による。

会員の研究内容

近年、研究対象も機械のメカニズムから動植物や栽培システムなどにも動きつつあり、研究手法も先端電子技術を駆使した生物生産工学、Biological Engineering へと変貌しつつあります。以下に、第82回(2024年)年次大会講演発表の分類番号の構成要素を記しますが、これを見ていただければ本学会会員の研究領域の広さを理解していただけるものと思います。

 分類番号分類・テーマ
一般セッション
分  類
G−1原動機,農用車両(ビークルダイナミックス,走行性等)
G−2耕うん,整地用機械(土壌の物理性・力学を含む)
G−3栽培・管理用機械(施肥・播種,育種・移植,防除,潅漑並びに栽培・管 理体系)
G−4収穫作業機(穀物,青果物収穫)
G−5穀物のポストハーベストテクノロジ(乾燥・貯蔵,調製・加工)
G−6青果物のポストハーベストテクノロジ(貯蔵,鮮度保持,調製・加工)
G−7穀物,青果物の輸送・物流及び品質評価
G−8飼料生産・調製用機械,家畜・家禽飼育用機械
G−9廃棄物処理・利用(糞尿処理,堆肥化,飼料化)
G−10農業生産環境,生産施設,農業施設
G−11メカトロニクス(ロボティックス,自動化,自律走行等)
G−12センシング(センサ開発,計測法,非破壊計測,画像処理等)
G−13農業労働科学(人間工学,安全性等)
G−14植物工場,動植物の生育・生体情報及び物性
G−15農業・農作業情報及びシステム(精密農業,GPS,GIS を含む)
G−16エネルギー,バイオマス
G−17情報通信,コンピュータネットワーク
G−18コンピュータシミュレーション(アルゴリズムを含む)
G−19その他
 分類番号分類・テーマ
オーガナイズド
セッション
テーマ
O−1地域生物資源の 6 次産業化技術
O−2畜産の情報化技術
O−3農業用小型ロボットの可能性
O−4水産業のためのセンシングと情報化
O−5蛍光分光及び蛍光画像の農畜水産物への利用と今後の展
O−6データ駆動型農業のための AI・植物センシング技術
O−7農作業の事故実態の解明と安全性・快適性向上への取り組み