86巻2号

技術論文

キャベツの遠赤外線乾燥における乾燥トレイ材質の違いが乾燥時間および乾燥過程におけるCO2排出量に及ぼす影響

倉田大丞・折笠貴寛・相馬海斗・渡邊高志・小出章二

キーワード: 遠赤外線乾燥,乾燥トレイ,キャベツ,積算温度,L─アスコルビン酸,CO2排出量

 

 乾燥トレイ材質の違いがキャベツの乾燥時間および乾燥過程におけるCO2排出量に及ぼす影響を解析し,低環境負荷の観点からキャベツの遠赤外線乾燥における最適な乾燥トレイ材質を評価した。その結果,スチール製トレイ(ST)がポリプロピレン製トレイ(PP)よりも熱放射の影響が大きくなり,PPよりも乾燥時間が短縮されたと考えられた。PPの代わりにSTを用いることでCO2排出量が約30 %削減された。また,トレイ輸送および試料乾燥工程におけるCO2排出量が総CO2排出量の96 %以上を占めることから,低環境負荷条件で乾燥キャベツを製造するには,これらの工程におけるCO2排出量の削減が必要であると考えられた。