研究論文
風間恵介・柏原一真・酒井憲司
キーワード: 農業用連結車両,ジャックナイフ現象,平面運動解析,安定性判別,等価3輪モデル
本研究では連結車両特有の挙動であるジャックナイフ現象の発生メカニズムを明らかにするために,平面運動解析を行った。農業用連結車両を等価3輪モデルでモデル化し,数値解析によって前輪転舵角に対する連結角の動特性を伝達関数として導出し,前輪転舵角,初期車速,路面摩擦係数,トレーラ質量の変化に伴う安定性を調査した。ステップ応答や正弦波応答から導出した運動方程式を検証し,極─零点配置図と周波数応答を求めることで,連結車両の安定性解析を行った。その結果,農用トラクタ─トレーラ系の安定性は,一般トラクタ─トレーラ系に比較してはるかに脆弱で,トレーラ質量の増加によって系の極が原点に漸近し,安定性を著しく悪化させることを明らかにした。また車速の上昇によっても安定性は悪化するが,振動成分は減少することがわかった。
技術論文
ヌウェン ヴァン ナン・趙 元在・元林浩太
キーワード: 農用トラクタ,カプリング許容,着脱性能,油圧コネクタ,電気/センサコネクタ
作業機自動着脱を実現する第一報として,作業機自動着脱用ヒッチカプラを開発し,迅速な作業機着脱と同時に油圧接手や電源のコネクタの着脱等を自動化した。コンクリート及び草地の上で試験を行ったところ,様々なトラクタと作業機に装着した開発機の着脱においては,許容される位置及び角度の誤差がそれぞれ約3~5 cmと5°であり,開発機が最適に設置された場合の作業機動きが2.3 cmと2.1°未満であることを明らかにした。また,開発機による作業機着脱時間も慣行着脱方法に比べて最大85.7 %も大幅に短縮した。