82巻5号

研究論文

稲収穫作業における3D-LIDARによる障害物検出

李 教應・飯田訓久・李  楊・壽山智也・村主勝彦・増田良平

キーワード: 農業ロボット,自脱コンバイン,3D-LIDAR,障害物検出,衝突回避,反射強度

 

 ロボットコンバインが安全に刈取り作業を行うには,障害物を検出し衝突を回避する必要がある。本研究では3D-LIDARで計測した距離と反射強度を用いて,人以外の稲,地面による誤検出を減らすフィルタ処理をした後,二値化,膨張・縮小フィルタ処理を適用し,残った点群をグリッドマップにプロットする。プロットされた点群の位置とその重み係数の値で障害物の有無を判断した。このフィルタ処理を適用することで,コンバインの刈取り作業時(速度1.0 m/s)に,稲領域外に立つ人,稲領域外にかがむ人,稲領域中に立つ人,塩ビパイプを検出して停止する実験を行った。その結果,検出レートは2.0 fpsで,これらの障害物を検出して停止することができた。


ステレオビジョンによる再構成路面情報に基づくトラクタの挙動予測に関する研究
――再構成路面によるトラクタの挙動シミュレーションと実測値との比較・検証――

シン ソヨン・光岡宗司・井上英二・岡安崇史・平井康丸・松井正実・崔 重燮

キーワード: トラクタの安全性,横転倒,路面再構成,ステレオビジョン,機体挙動シミュレーション

 

 乗用トラクタの重大事故では横転倒を伴うことが多く,トラクタの横転倒を予測するための機体のロール挙動の解析とその安全性の向上が重要となる。本研究では,トラクタの前方重りに設置したステレオビジョンカメラにより走行路面の再構築を行った。再構成された突起物を踏む路面の起伏情報をトラクタの走行シミュレーションの入力として機体のロール挙動を解析し,実走行時の計測値との比較を行った。カメラの取り付け角度を変えて路面の再構成を行い,取り付け角度毎に再構成された路面入力を用いた解析と実測値と比較した結果,取り付け角度による路面の再構成精度は,ロール角速度のRMS値に大きく影響した。再構成精度の高い路面入力を用いることで実測値に近いロール挙動のシミュレーション結果を得た。

技術論文

1DCAEと3DCAEを用いたエンジン冷却ファンの振れ回り振動解析

明井政博・瀧口正規・野口大貴

キーワード: ディーゼルエンジン,冷却ファン,ローターダイナミクス,振れ回り振動,機構解析,連成振動

 

 本論文では,ディーゼルエンジンに使われる冷却ファンシステムの耐振動性の数値解析手法について述べる。冷却ファンの振れ回り振動では,冷却ファンの翼系と回転軸系の連成振動が現れることがある。これらの連成振動を表現するために,冷却ファンシステムを4自由度の力学モデルで定式化した。さらに,3D機構解析を用いて,冷却ファンの動的挙動を予測する解析モデルを構築した。加えて,実験結果と解析結果の比較により,構築した解析モデルの有効性を示した。


播種量節約のための条播苗の研究
――苗の欠株率と枯死率に着目して――

ラクトゥ マララ アンドゥニアイナ・焼山博次・庄司浩一

キーワード: 条播,種子節約,ココピートマット苗,植付機構,標準爪,縦送り量,苗変形,欠株,枯死率

 

 面積あたりの所要種子量を減らすために,ココピート上に26列の条播を行って水稲の箱苗を作製し,慣行の散播を行った箱苗を対照区として通常の8条植え田植機にて移植・栽培を行った。条播区は対照区と比べて種子量を40 %減少でき,3~4葉齢にて移植した。いずれの区の苗でも縦送り量7 mmでは移植時の欠株率の点で適切とはいえなかった。縦送り量10 mm及び13 mmでは,条播区での欠株率はそれぞれ11.3 %及び6.3 %で,対照区よりも高くなっていた(それぞれ9.0 %及び3.3 %)。条播区においては,生育期間中の枯死率は5 %以下と低く,玄米収量は500 g/m2であり,いずれも対照区との違いは見られなかった。

速  報

トマトの蛍光と貯蔵温度との関係

小長谷圭志・近藤 直・高橋憲子・倉本 誠・鈴木哲仁

キーワード: 蛍光,トマト,貯蔵温度,イメージング,蛍光光度計