80巻2号

研究論文

斜面走行時の自脱コンバインの挙動に関する考察

松井正実・三浦 秦・青柳悠也・福島崇志

キーワード:自脱コンバイン,挙動モデル,シミュレーション,斜面,転倒

 

 自脱コンバインは,トラックへの積み下ろしや圃場への出入りの際にピッチング方向の機体姿勢が急速に変化し,オペレータの転落や転倒事故に繋がる可能性がある。本研究では,このような自脱コンバインの挙動を力学的に解明するために,上下・ピッチング・ローリングに加え,前後方向を考慮した4自由度での挙動モデルを立案した。また,これらの挙動モデルを用いて剛性傾斜路面走行時の挙動シミュレーションを行った。その結果,圃場進入時を想定した前進降り,および後進登坂終了時に転倒し易いことがわかった。これら転倒防止のためには,路面傾斜角度23°以下,走行速度0.25 m/s以下で走行する必要があることが明らかになった。

土中反射スペクトルを用いた有効態ケイ酸と遊離酸化鉄および交換性ナトリウムの回帰モデル

小平正和・澁澤 栄

キーワード:有効態ケイ酸,遊離酸化鉄,交換性ナトリウム,水田,回帰モデル,部分的最小二乗法

 

 水田ほ場の土中拡散反射スペクトルをトラクタ搭載型土壌分析システムで測定し,有効態ケイ酸と遊離酸化鉄および交換性ナトリウムの回帰モデル推定を行った。回帰モデル推定は,2次微分前処理と部分的最小二乗法を適用した。推定された有効態ケイ酸と遊離酸化鉄および交換性ナトリウムの回帰モデル精度は,決定係数>0.90,Residual Prediction Deviation>3.0を得た。推定された3項目の回帰モデルは,土壌マップの作製も可能な精度であることを確認した。水分を含んだ土壌の拡散反射スペクトルは,回帰モデル推定項目を拡充する可能性があることを示した。

産業用ロータリーキルン燃焼炉による高水分バイオマスの半炭化

シティ ヌール シャファ ビンティ バクリ・岩渕和則・吉本龍平・谷黒克守

キーワード:バイオエネルギー,乳牛ふん,高含水率,ロータリーキルン,半炭化

 

 バイオマスは重要な代替エネルギー資源であるが,一般に高含水率であるため利用が困難である。本研究では産業用ロータリーキルン燃焼炉を用いて,含水率84.1 %の乳牛ふんを半炭化によって燃料用炭製造を試みた。乳牛ふんは250℃および300℃では3回の回分半炭化操作を要したのに対し,炭化温度の低い200℃ではより長い4回の操作が必要であった。各炭化温度において乳牛ふん炭化物の質量収率,含水率,有機物含有率および高位発熱量(HHV)は半炭化の進行とともに減少した。生産効率は300℃で高く,これは高温であるがゆえに半炭化に要する時間が短く,エネルギー消費量少なかったためである。

技術論文

DPF及びDOCを装備したコモンレール式ディーゼル機関の性能試験に関する実験研究

清水一史・紺屋秀之・梅野 覚・ファン ダン トー・西川 純

キーワード:大気条件係数,吸入空気温度,大気圧,燃料温度,機関出力,燃料消費量,燃料消費率,排出ガス

 

 温度や大気圧など試験環境条件の違いによる試験結果のばらつきを小さくする,より公正な機関性能試験手法の研究を行った。本報では,大気条件係数及び燃料温度が,DPF及びDOCを装備したコモンレール式ディーゼル機関の機関性能,排出ガスに及ぼす影響を確認した。更に,大気条件係数を一定として機関性能試験を実施し,試験結果のばらつきへ及ぼす効果を確認した。
 その結果,大気条件係数の違いが,機関出力や燃料消費率の試験結果に影響を及ぼすことが明らかとなった。更に,大気条件係数を一定とすることで,出力及び燃料消費率の試験結果のばらつきを,より小さくできることが明らかとなった。