79巻6号

研究論文

農業用パワーアシストスーツの機構評価

新家寿健・西澤宇一・池田知純・垣本 映・遠山茂樹

キーワード:パワーアシストスーツ,農作業,自由度実現度,アダプタビリティ,機構評価

 

 本研究では,農作業の軽労化を目指した外骨格タイプのパワーアシストスーツを開発している。外骨格タイプのパワーアシストスーツでは,装着時と非装着時において関節の可動範囲が異なることが装着者への大きな負担となる。本論文では動き易さの度合を表す自由度実現度とアダプタビリティを用いて開発してきた農業用パワーアシストスーツの機構評価を行った。結果として可動範囲が十分でない関節を特定し,特に背部の自由度向上が課題であることを明らかにした。

カボチャの減圧フライ特性と成分変化

嶋田義一・下園英俊・有村恭平・岡田大士・西場洋一

キーワード:減圧フライ,カボチャ,含水率,粗脂肪,カロテノイド,糖

 

 前処理したカボチャスライスを80,90および100℃の温度下で減圧フライし,含水率および油分などの減圧フライ特性およびカロテノイド等の成分を測定した。その結果,圧力,油温および試料温度の履歴から,予熱,恒率乾燥,減率乾燥と見なされる期間,およびフラッシュポイントを推測できた。また,含水率変化は指数モデル,油分変化はMoyanoら(2006)の示した実験式で表され,減圧フライ特性を把握することができた。さらに,減圧フライによる成分変化については,脂溶性成分のカロテノイドが50 %以上,水溶性成分の糖,ポリフェノールもそれぞれ34,43 %の残存率を示し,機能性成分の残存程度が明らかとなった。

技術論文

主幹形ウンシュウミカン樹に適する着果管理機械の試作開発と作業性の評価
──振動摘らい機と摘果剤局所散布機の開発──

川﨑陽一郎・竹岡賢二・塩田 俊

キーワード:主幹形ミカン,着果管理,摘らい,作業時間,振動収穫機

 

 主幹形ウンシュウミカン樹の着果管理の内,摘らいと摘果の効率をあげるため,小果実類に用いる振動収穫機を改造した振動摘らい機と,摘果では急傾斜地テラス園の狭い作業道幅に適合する小型クローラ型防除機を改造した摘果剤局所散布機を試作開発し,作業効率を検証した。摘らい機の摘らい速度は,人力摘らいに比較して25.5倍であり省力化が明らかになった。摘果作業では,試作開発した摘果剤を横縞状に局所散布できる摘果剤局所散布機の利用で慣行の人力間引き摘果に比べて作業時間を3 %に削減でき,その精度も高かった。