76巻3号

研究論文

無人走行車のゲインスケジュールド H 制御に基づく速度制御

吉本達也・深尾隆則・青木啓高・石山健二・村上則幸

 

 農業機械の自動化において,農作業の精度や効率を確保するためには高精度な速度制御が必要である。しかし,圃場には凹凸や傾斜などの外乱が多く存在するため,速度が変動しやすい。さらに,農業機械はトレーラや農機を牽引することが考えられ,牽引による重量変動が生じる。本論文では,これらの外乱や重量変動に対処するためにゲインスケジュールド H 制御に基づく速度制御系設計法を提案する。また,無人走行車による実車実験により,速度誤差±0.3 m/s以下の精度で目標値追従が可能であることが確認された。本論文における提案手法は様々な種類の農業機械に応用可能であると考えられ,農業機械自動化への貢献が期待できる。

キーワード: 速度制御,自動制御,農作業車両,無人走行車両,ゲインスケジュールド H 制御

技術論文

エアアシスト静電散布における噴霧液滴の物理的特性に関する研究
――噴霧液滴の帯電および到達距離に及ぼす影響――

吉永慶太・山根 俊・宮崎昌宏・中山夏希・窪田陽介・小林 研

 

 ビニールハウスや植物工場等の施設内の防除において,散布ノズル後方からエアアシストを行うことによって,作物群落内の農薬付着性能を向上させることを目的として,エアアシスト静電散布における噴霧液滴の物理的特性に関する研究を行った。本研究では,風洞内において,環状電極を用いた静電散布装置を利用し,エアアシスト風速,噴霧液滴粒子径,噴霧ノズル高さ,散布距離,電極印加電圧と噴霧液滴の落下量分布および液滴の比電荷等の関係について検討した。その結果,中空円錐噴霧ノズルを供試して行った水平方向への噴霧は,エアアシストを利用することにより,対象物へ到達する噴霧液滴量の増加を認め,さらに,散布距離100 cmにおける比電荷がエアアシストを利用しない場合と比して最大で約8倍となった。

キーワード: 静電散布,エアアシスト風速,低濃度多量散布,比電荷,散布距離,噴霧液滴粒子径,電極印加電圧