75巻6号

技術論文

携帯型分析計による米の品質測定のための基礎研究
――近赤外分光法による米のタンパク質と水分の測定――

夏賀元康・渡部美里・川端 匠・片平光彦

 

 携帯型米品質分析計の基礎研究として,近赤外分光法による米の品質測定のサンプリングが不要なプローブ(測定部)を試作し,米表面と米袋状態で測定した場合での玄米と精米の水分とタンパク質の測定精度を検討した。試作したプローブにより,乾燥籾でどの程度の精度が得られるかについても検討した。その結果,米表面の測定は実用的な精度が得られ,新たな成分測定方法の可能性があると判断できた。さらに,米袋状態でもオープンと同等の精度が得られ,これによって米の検査段階や流通段階で米袋入りの状態である程度の精度を維持しながら測定できる可能性が示された。ただし,籾は玄米・精米より精度が劣ったため,プローブの改良が必要である。

キーワード: 携帯型米品質分析計,近赤外分光法,米,品質

ロータリ耕うん作業における農用トラクタの排出ガス評価手法に関する基礎研究(第2報)
――機関トルクの負荷方法と再現性――

清水一史・西川 純・松尾陽介・手島 司・土師 健・原野道生

 

 代表的なトラクタ作業の1つであるロータリ耕うん作業について,負荷実態に基づいた排出ガス評価手法の研究を行った。本報では,動力計を用いて耕うん時の機関トルクを負荷する方法による再現性を確認した。その結果,耕うん時の機関トルクをそのまま再現させる場合,機関トルクを安定的に再現することは難しく,再現する機関トルクや使用する機関,トラクタや動力計などによりトルクの再現性にバラツキを生じるおそれがあると考えられた。一方,耕うん時の機関トルク成分のうち,その大きさと時間を考慮して階段状に並べ替えて負荷する方法では,機関トルクを非常に良好に再現できた。

キーワード: 農用トラクタ,ロータリ耕うん,機関トルク,動力計,負荷方法,再現性

ロータリ耕うん作業における農用トラクタの 排出ガス評価手法に関する基礎研究(第3報)
――機関トルクの負荷方法と排出ガス――

清水一史・西川 純・松尾陽介・手島 司

 

 代表的なトラクタ作業の1つであるロータリ耕うん作業について,負荷実態に基づいた排出ガス評価手法の研究を行った。本報では,動力計を用いて耕うん時の機関トルクを再現する負荷方法の違いによる排出ガスを確認した。その結果,耕うん時の機関トルク成分のうち,その大きさと時間を考慮して階段状に並べ替えて負荷するステップ負荷法では,機関トルクを非常に良好に再現できるため,より安定した排出ガス測定が可能であることが分かった。また,ステップ負荷法を用いることで,複数のほ場で得た負荷を合成したり,合成した負荷を時間短縮できる可能性があることを確認した。これにより,ロータリ耕うん作業時の機関負荷を再現する平均的な負荷を作成できる見通しを得た。

キーワード: 農用トラクタ,ロータリ耕うん,機関トルク,動力計,負荷方法,合成,合成短縮,排出ガス

ロータリ耕うん作業における農用トラクタの排出ガス評価手法に関する基礎研究(第4報)
――排出ガス評価法の作成――

清水一史・西川 純・松尾陽介・手島 司

 

 代表的なトラクタ作業の1つであるロータリ耕うん作業について,負荷実態に基づいた排出ガス評価手法の研究を行った。本報では,排出ガス測定における機関トルクの適当な負荷位置を検討した上で,耕うん時の機関トルクをステップ負荷法により負荷する排出ガス評価法を作成した。その結果,作成した排出ガス評価法により排出ガスの測定を行うことで,運転条件毎の各排出ガス排出量が明らかとなるなど,運転範囲の広いトラクタの耕うん時の排出ガスを燃料消費量と合わせて表すことが可能と考えられた。また,更なる機関トルクデータの測定,蓄積により,ロータリ耕うん作業を代表する負荷条件での排出ガス,また,作業別や,トラクタ機関出力帯別などに加え,トラクタ以外の機種での排出ガスを把握できる可能性があると考えられた。

キーワード: 農用トラクタ,ロータリ耕うん,機関トルク,動力計,負荷位置,排出ガス,評価方法

心土破砕と暗渠によるサトウキビほ場の排水性改善効果

新里良章・深見公一郎・山口 悟・上野正実

 

 サトウキビの減収要因となる排水性の不良なジャーガルほ場の改善法とその効果を調べた。心土破砕と耕起作用を兼ね備えた排土型心土破砕機の耕起作業能率は慣行のプラウ作業のほぼ2倍に達し,膨軟な破砕領域は約55cmの深さまで達していた。耕起,砕土後の土塊径と発芽率は慣行作業と同程度であったが,サトウキビの増収が確認できた。ハーベスタ収穫後のジャーガル株出ほ場では,心土破砕で約10%の増収効果がみられ,排水性の改善が一要因と推察された。一方,心土破砕を行っても改善されないジャーガルの排水不良ほ場の場合では,暗渠と心土破砕を組み合わせた排水対策で,茎長の伸びと欠株抑制によって株出3回でも約30%の増収が見られた。トラクタに装着するオーガ式のトレンチャによる暗渠施工は10a当たり22万円程度のコストで実施できた。

キーワード: ジャーガル,サトウキビ,サトウキビハーベスタ,土壌踏圧,心土破砕機,トレンチャ

バレイショ茎葉処理機の開発(第1報)
――収穫時期のバレイショ性状調査と茎葉処理方法の違いが収穫時の皮剥け程度に及ぼす影響――

貝沼秀夫・青木 循・鈴木 剛・大波正寿・鎌田 誠・菅原和之

 

 高品質なバレイショ生産に貢献できる引抜き方式の茎葉処理機を開発し,その性能を明らかにすることを目的に研究を行った。本報では,茎葉処理機の開発に資するため,代表的な数種類の品種において,葉の長さ,植物を引き抜くのに必要な力などの性状調査を実施した。また,茎葉処理方法の違いが皮剥け程度に及ぼす影響を調査した。出荷基準内の塊茎割合については,茎葉を細断処理した区では72.2%,茎葉およびストロンを引抜き処理した区では95.8%であった。試験の結果,茎葉を引抜き処理したバレイショは,塊茎が皮剥けし難い状態になっていることが確認された。

キーワード: バレイショ,茎葉処理機,引抜き,細断,皮剥け