75巻5号

研究論文

ロータリ耕うんの動的現象の解析研究(第1報)
――土の投てきと耕うん軸トルクのモデル化――

平澤一暁・片岡 崇・丹生秀和・久保孝之

 

 本研究の目的は,ロータリ耕うんの土の投てき現象と所要動力を予測できる解析モデルの構築である。本報では,個別要素法を用いて土とロータリ耕うん爪をモデル化する方法およびそのモデルに用いるパラメータの決定方法について検討した。構築したモデルの妥当性を検証するため,高速度カメラによるロータリ耕うんの土の投てき状態の観察とロータリ耕うん軸トルクの計測を行った。その結果,本モデルは耕うん時の土粒子の存在範囲および重心位置を92〜104%の範囲で,耕うん軸トルクを83〜110%の範囲で予測できることが示された。

キーワード: ロータリ耕うん,土の投てき,ロータリ耕うん爪,土の動力学,個別要素法,モデリング,高速度カメラ

技術論文

穀物遠赤外線乾燥機の実用機開発及び生産現場での性能評価

日靖之・久保田興太郎・市川友彦・柏嵜 勝・小篠玲二・土門正幸・造賀和成・伊藤正人・大沼信彦

 

 本報では,市販の循環式乾燥機に遠赤外線放射体を組み込んだ穀物遠赤外線乾燥機の実用機を開発し,籾・小麦の乾燥試験を行った。また,乾燥した穀物の品質試験と運転中の騒音測定も行った。開発した遠赤外線乾燥機は,同じ張込量の熱風乾燥機と比して,除水率[灯油]は籾で10%,小麦で8%,除水率[電気]は籾で40%,小麦で24%の低減効果があった。胴割れ率の増加は2%以下で問題なく,さらに1.0%w.b./h以上の乾燥速度においても胴割れ率の増加が少ない傾向であった。発芽試験の結果,籾,小麦ともに遠赤外線放射による発芽障害は認められなかった。食味官能試験の結果,遠赤外線で乾燥した米は総合評価が上がる傾向を示した。また,開発機は送風量の設定を低くできることと,放射体内で燃焼が行われるためバーナの燃焼音が低減されることにより,乾燥中の騒音が熱風乾燥機に比して3dB(A)低減した。また,実用化した穀物遠赤外線乾燥機は市場においても省エネルギーであることを確認した。

キーワード: 遠赤外線乾燥機,省エネルギー,騒音,品質,食味官能試験

ロータリ耕うん作業における農用トラクタの排出ガス評価手法に関する基礎研究(第1報)
――動力計を用いた再現運転による排出ガス測定――

清水一史・西川 純・松尾陽介・手島 司・千葉大基・高橋弘行・原野道生

 

 代表的なトラクタ作業の1つであるロータリ耕うん作業について,負荷実態に基づいた排出ガス評価手法の研究を行った。本報では,ほ場で測定した耕うん時の排出ガス濃度と,耕うん時の機関トルクを,電気動力計でトラクタPTO軸に負荷して再現運転した時の排出ガス濃度を確認した。その結果,動力計による機関トルクの再現性は良好であり,再現運転時の排出ガス濃度は,耕うん時の排出ガス濃度と同程度であった。動力計により耕うん時の機関トルクを再現することで,耕うん時の排出ガスを良好に測定できる可能性を確認できた。

キーワード: 農用トラクタ,排出ガス,ロータリ耕うん,機関トルク,機関回転速度,動力計,再現運転