73巻1号

研究論文

リアルタイム土壌センサによる環境負荷量を表す土壌マップを用いた精密圃場管理の検討

梅田大樹・澁澤 栄・岡山 毅・サクマ デニス ユキオ・下保敏和・二宮和則

キーワード: 圃場マップ,収量マップ,全窒素,リアルタイム土壌センサ,精密圃場管理

 

 本研究ではリアルタイム土壌センサと収量メータ付コンバインによって得られた圃場マップを作成することによって,これらが精密圃場管理に活用できるデータ構造となり得るか検証を行った。小麦圃場を対象として,リアルタイム土壌センサを用いて播種前および収穫後に含水比および全窒素マップを,さらに収量メータ付コンバインを用いて収量マップを作成した。これらのマップが精密圃場管理への支援ツールとなり得るか考察した。また,取得した各パラメータを用いて全窒素損失量を算出し,小麦栽培における環境負荷分を推定した。リアルタイム土壌センサにて取得したデータを用いて作成されたマップは,精密圃場管理に使用し得ることが示唆された。

農業用タイヤの振動特性が回転時の挙動に及ぼす影響

藤田活秀・齊藤 俊・金子 貢

キーワード: 農用トラクタ,農業用タイヤ,ラグ,振動,実験モード解析

 

 農用トラクタは軟弱土質でのトラクション性が要求されるため,トレッド部にラグと呼ばれるゴム製の大きな突起が千鳥状に配置されたタイヤが用いられている。舗装路面走行時の農用トラクタの振動は,このラグが起振源となる振動が発生することが知られているが,その発生メカニズムに関しては未だ十分に解明されていない。そこで本研究では,ラグ付きタイヤの回転時におけるタイヤ挙動を計測するための実験装置を製作し,回転速度を変化させた時の挙動の特性を調べた。また,タイヤ単体の振動特性を非回転・接地の状態で実験モード解析手法により調べ,振動特性が回転時の挙動に及ぼす影響について検討を行った。

技術論文

近赤外分光法によるエダマメの品質測定(第2報)
――莢付きエダマメの食味関連成分の測定――

江頭宏昌・夏賀元康・須江芳恵・池田剛士・千田智哉・堀之内名那子・赤澤經也

キーワード: 近赤外分光法,莢付きエダマメ,ダダチャマメ,品質,スクロース,呈色性窒素化合物(NRQ)

 

 エダマメの食味関連成分としてスクロース含量と呈色性窒素化合物(ニンヒドリン反応量 : NRQ)を取り上げ,第1報では市販近赤外分析計Infratec1241によりこれら2成分がどの程度の精度で測定できるか,莢を取り除いた剥きマメを用いて,精度の検討を行い,得られたキャリブレーションは実用的な精度であると判断した。しかし,剥きマメにするための作業に15〜20分を要するため,本報では,莢のまま測定し精度の検討を行った。その結果,スクロースがR2=0.57,SECV=0.49%,NRQがR2=0.69,SECV=0.21%の精度が得られた。これらは剥きマメによる測定精度より若干劣るものの,測定時間は約1/5であるので,より実用的な測定方法であると判断した。

ウリ科用接ぎ木装置に適応する自動給苗機構の開発

小林 研・藤井桃子・大越崇博

キーワード: 半自動接ぎ木装置,自動給苗,ウリ科野菜,カボチャ,子葉展開方向,子葉方向揃え

 

 ウリ科用の半自動接ぎ木装置に適応する自動給苗装置の開発を目的として研究を行った。平板中央に山型突起を持つ固定ガイドによる苗の子葉方向揃えの可能性を検討した後,自動給苗基礎試験装置を試作して性能試験を行った。その結果,整列播種された苗を使用することで,固定ガイドによる子葉方向揃えが可能と判断した。基礎試験装置によるセルトレイからの給苗成功率は90%であったが,セル中心から半径13mm以内で出芽している苗を対象とすれば,同成功率は94%となった。苗保持機構の改良の他,セルトレイへの播種方法や育苗時に子葉を開かせる等の管理方法を組み合わせて対応することで,精度向上は可能と考えられた。

資   料

耕種農業における面積当たりの環境負荷原単位

柴田洋一・片岡 崇・岡本博史

キーワード: 環境負荷原単位,耕種農業,作付面積,産業連関表,環境影響,レオンチェフ逆行列,LCA

速   報

農用車両用の世界的航法衛星システム(GNSS)の性能試験方法

牧野英二・山下貴史・塙 圭二・濱田安之

キーワード: GNSS,GPS,位置測定精度,動的性能評価,農用車両